Fルートその4


「あ、あの……どこ行くんですか?」  両脇から笑顔の美人店員さん二人に腕を組まれて連行されているあたしはてっきりお店の奥の壁にそって三つ 並んでいる試着室に向かっていると思っていたんだけど、二人はその前で直角に折れ曲がり、それと一緒にあた しも横を向かされて、お店のさらに奥、お客様立ち入り禁止みたいな通路を突き進まされた。  そして突き当たりのドアをくぐって、応接間のような部屋に通された。 「こ…ここは……」 「見ての通り応接間ですわよ」  それは見て分かりますって。問題は何であたしがここに連れてこられたかなんだけど……  窓もなく、エアコンで快適な空気に保たれた室内にはテーブルやソファー、それに大きくて高そうな外国製の 木の机とかテレビまで置いてある。特に目を引くのは部屋の所々に置かれたマネキンで、首と腕のないそれには 店内同様、服が着せられている。そのほとんどが華美ではないけど、ファッションに疎いあたしでも自然と目が 行ってしまうような美しいデザインをしていた。ただ…… 「問題なのは何でチャイナ服とか看護婦の白衣とかメイド服なんかが置いてあるかって事なんですけど……」  華やかな服のさらに向こう側には丈が長くて太股の付け根辺りにまでスリットの入ったチャイナ服とか、ピン ク色のナース服、果てはウサギ耳つきの黒のバニースーツやあたしが通う宮野森学園の制服や体操服(なぜかブ ルマ…)、さらにはゲームに登場する女剣士やモンスターのコスプレ衣装まで置かれていた。 「あちらの服に興味があるのですか?」 「あちらは先生のコレクションなんです」 「あれを見て先生はインスピレーションを高められるんです」 「い…いんすぴれーしょん……」 「時々私たちが着る事もありますけど…うふふ……」 「は…ははは……」  先生って言うのはさっきのオーナーさんなんだろうけど……これを見て何を想像するって言うのよ……  部屋に入ってからはあたしを解放して入り口のそばにたっている二人の店員さんだけど、あたしほどではない にしても胸もお尻も結構出ているし、ウエストだってキュッとくびれている。身長はあたしより高いこの二人が あの服を……そう考えるあたしの頭の中にはイメクラとかコスプレと言う言葉が浮かび上がっていた。  でも……一度くらいなら見てみたいかな……あはは……  二人の美女がいろんな服を着ているところを想像していたあたしだけど、次の瞬間にはそんな事を考えている 余裕なんかなかった事を思い知らされた。 「さぁ、先生が来る前に服を脱ぎましょうね」 「えっ!? ちょ、ちょっとなにするんですか!?」  いつの間にかずいぶんとマネキンに近寄り、まともなデザインの方の服を身を屈めて眺めていたあたしの脇の 下を細い腕が潜り抜け、白いブラウスに包まれた二つの膨らみをしっかりと鷲掴みにした。 「や、やだ、揉まないで…んっ!」 「まぁ、パットもなにも無しでこの大きさなの? うらやましいわぁ……」 「本当なの? 私にも触らせて……わぁ…ものすごく柔らかいわ……」  Fカップでもキツく、実質Gぐらいにまで急成長した胸を後ろから抱きついた店員さんにいい様に揉みしだか れていると、もう一人の店員さんがマネキンとあたしの間に割って入って、さらに二つの手のひらをあたしの乳 房に押し当ててきた。 「やめて……も…もまないで……ふあぁ!!」  女の人相手ではどうしても腕を振りまわしたりできず、為すがままになるしかなかったあたしの顔は恥ずかし さでみるみる紅潮し、苦悶にも似た表情を浮かべる。  こ…この二人…触り方上手……うんっ!  前後からサンドイッチにされ、四つの手におっぱいを揉みくちゃにされているうちに、あたしの身体は徐々に 熱を帯び始めていた。二つの柔肉の膨らみを服の中で擦り合わせるように揉んでいるかと思うと、もう一人の手 はブラウスの襟に巻かれたネクタイを解いてボタンを外し始め、胸元が露わになると後ろの人の手が残りのボタ ンを外して、目の前の人は交代であたしの肌に唇を吸いつかせる。 「ちゅ……綺麗な肌をしているわ……んんっ……」 「あ…あぁ……な…舐めちゃ……ふぁ……!」  息のあったコンビネーションであっという間に露出させられた半球を舐められたあたしの快感はとどまるとこ ろを知らず、ブラウスの滑り落ちた肩を震わせ、熱い吐息を繰り返していた。  我慢しようとすると、痛く感じないギリギリの強さで押しこまれる指と谷間から立ち上る汗の匂いを吸われな がら柔肉の上を這いまわる舌先の感触に我慢の反動でさらに強く感じてしまう。呼吸するたびに弾んでいる乳房 を隠してくれているブラジャーの中でも身体の自然勝手な反応は始まっていて、ゾクッとするほど甘い疼きを発 しながら乳首が勃起していく。胸の上側の丸みに涎を塗りつけながら下から重さを確かめるように下から上へと 揉み上げられる乳房の先端は飾りのない白い布地を、早く弄ってくださいと言わんばかりにピンッと一点で押し 上げていた。 「うふふ……こんなにおっきくなっちゃったのね……」 「服を脱がせてあげてるだけなのに…エッチなんだから♪」 「う…嘘……ふ、二人がさわるから……んっ!? はぁあああっ!!」  後ろと前から、興奮が高まるに連れて仰け反っていく白い喉元とうなじへ同時に唾液でぬめった唇で吸いつか れながら、安物のブラの両カップに上から手を差しこまれ、乳肉に十本の指をめり込ませてしっかりと掴み、左 右の乳房を一気に引っ張り出した。それまで一度も触られなかった乳首への刺激に身体中がビクッと震えた次の 瞬間に感じた胸元の開放感を確認する暇もなく、ブルンと揺れた双乳は再び手のひらに掴まれ、熱に浮かされて 固く尖った乳首をさらに寄ってきた正面の女の人のスーツの布地に擦りつけられる。 「あああああああっっ!! だめ、それ、だめぇぇぇ!!!」  仕立てのよいスーツの布地の肌触りは滑らかだったけど、敏感になりすぎている乳首には目に見えない微妙な 凹凸でさえ電気ショックのような鋭い刺激となって身体を貫いていく。 「あっ!! あはぁ、んああああ! ひぃ!」  二人に挟まれているあたしは座り込んだり倒れたりする事もできずに、抱きつかれるような体勢でさらに圧力 を増して押しつけられている小豆とその周りの弾力のある柔肉を入念に刺激されて、立ったまま身体をいやらし くくねらせる。汗の滲む太股を擦り合わせると内股からグチュリと明らかに胎内から響いた音が耳を打ち、下半 身全体になめかましい快感が広がっていく。胸ばかりでそっちを全然触ってくれないから快感は解消されずに募 るばかりで、少しでも紛らわそうと腰をくねらせればスカートに包まれたヒップが後ろの人の腰に擦りつき、左 右に往復する擦り合いに浮き上がろうとする布の中ではパンティーがよじれて深い谷間にしっかりと食い込んで いった。 「うふ……やだ、もう……そんなに乳首に擦りつけないでよ……私も感じちゃうわ……」 「だって……この娘を見てたら私もしたくなっちゃったんだもん……」  あたしのおっぱいが当たっている場所は相手にとっても胸の位置で、二人の身体の間に手を差し込んで思う存 分あたしの乳房を揉みながら上下に押し上げるたびに、目の前で美しい唇から熱い吐息が漏れていく。香水やシ ャンプーの匂いと混ざり合った匂いにあたしの興奮はさらに高まってしまい、元からなかった抵抗の意思がさら に薄まっていく…… 「だめよ……今はこの娘を脱がしてあげる方が先なの……」 「あ……ふぁ……」  圧迫され続けて息苦しくなってきた胸から手が離れると、二人の身体もあたしから少しだけ遠のいてほんの僅 かな空間ができる。自陣と痺れが残る乳首はまだ相手の服に触れたままだけど、一時の休憩にあたしは胸いっぱ いに三人を包む湿った熱い空気を胸いっぱいに吸いこんだ。  呼吸のたびに胸の膨らみが大きく上下に動く。さっきまでと違って滑らかな生地の上を動く乳首からの感覚に、 あたしは時折息をぴたっと止めて、染みこむように伝わってくる心地よさをゆっくりと味わった。  そういえば……あたし…なんでこんな事してるんだろ…… 「じゃあ下の方も脱ぎ脱ぎしましょうね」 「……え?」  シュル……  まだ名前さえ聞いていない正面の女性の声を聞くと同時に、あたしの腰からスカートのウエストが滑り落ちて いく。 「あ……ま、まだするの……?」  深呼吸している間にホックを外されていたらしく、表面がしっとりと潤った太股をまるで羽のように軽くこす りながら落ちて行く。微妙な刺激にビクンッと身体が震えると、それを待っていたかのように四本の手が一斉に 動きを開始した。 「や…やめて……どうしてこんな……」  あたしの制止の声なんか聞いてくれず、背中を通った指に一瞬でブラのホックを外され、あたしの足元にひざ まずいた女の人の指がパンティの腰紐にかかり、抵抗する間もなくスルッと引き抜かれ、足首で丸まってしまった。 「きゃあ!?」  ぜ、全部脱がされちゃった! どうしよう、このままじゃまたエッチな目に……  慌てふためくあたしの脳裏にはこの二人にいい様に身体を弄られて悶える自分の姿が移っていた。でもそんな 想像とは別に、汗以外の液体がにじみ出ている花びらをジッと見つめると、それまでの行為がまるでなかったも ののようにあたしから離れ、床に落ちていったあたしの服をてきぱきと片付けてしまった。  あたし……こんな状態でほったらかしなの!? 「あ…あの……この後は?」  抵抗はあるけど、美人な二人にだったら…と既に準備の整ってしまっていたあたしは、突然何もされなくなっ てしまったことに性欲が行き場をなくし、つい思っていたことが口に出てしまう。  もう…なんだかこれじゃ自分からして欲しいって言ってるようなもんじゃないの……  カチャ  自分が口にした事に思わず恥ずかしさを感じていると、突然入り口が音を立てて開き始めた。 「どう、準備終わった?」 「恭子さん………あ…きゃああああああ!?」  入り口から入ってきたのは恭子さんとこのお店のオーナーの女性だった。二人は振り向いたあたしの顔を一度 だけ見ると、すぐに視線を下げてあたしの身体の方に視線を下げていく。一瞬なんでそっちに顔を向けるのかと 訝しがったけど、今の自分が二人の店員さんに全裸に向かれている事を思い出し、大慌てで床にしゃがみ、胸と 股間を必死に両手で覆い隠す。 「あぁ〜〜〜ん、見ないでぇ〜〜〜〜〜〜!!」 「ふん、私ももう少し大きくなればあれぐらい大きくなるんだから……」  恭子さんの視線が痛い〜〜!!  しゃがみこんだあたしは周りを見まわすけど身体を隠せるような布は既に全部持ち去られていて、その原因の 二人もいつの間にかオーナーさんの後ろに二人並んで控えていた。 「もうすっかり準備は整ったようね。早速始めましょうか」 「は……始めるって……」  広い部屋にいる四人の目に肌を晒している事への恥ずかしさで涙さえ滲み始めていたあたしは、長い髪を揺ら しながら近づいてくるオーナーが口にした言葉に、あたしが一縷の救いを期待して聞き返した。すると優しそう な微笑を浮かべたオーナーはあたしの横を素通りし、部屋の奥に鎮座したマネキンにまで歩み寄ってからあたし の方を振りかえった。その歩き方はモデルを彷彿とさせ、優雅さと気品に満ちているその姿に思わずあたしは見 惚れてしまった。 「決まってるじゃない。今からあなたで着せ替えごっこするのよ、ここの服でね♪」 「大丈夫よ。ちゃんとアルバイト料は出してあげるから……その代わり…ふふふ……♪」 「き…着せ替え…………は…はは……」  恭子さんとオーナーの声が見事に調和する。その声はあたしを完膚なきまでに絶望のふちに叩き落すものだった……


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