魔法設定
MGI:魔力
INT:知性
SPT:精神力
魔法
基礎理論
Xchanger-Fの世界で用いられる魔法は、「式」に魔力を流す事で、人間には不可能なさまざまな超常現象を引き起こす。
魔法使いは魔法を行使する際に呪文、魔道書、魔方陣などにより式を展開、然る後に必要量の魔力を流し込む事で魔法は起動するのである。
「式」
式とは総称であり、起動式、魔導式と呼ばれる事もある。回路という認識が一般的だが、神経や体の延長と捉える人もいる。
魔法に用いられる式は、呪文などにより空間に展開する「無形式」、魔方陣や魔道書など物体に式を描く「紋章式」、そして自分の肉体や脳を式とする「精神式」の三つに大別される。
「無形式」
もっとも用いられる事の多い魔法形式で、言葉に込められた「意思」や「音」により空間に魔導式を構築する。熟練者になれば短い呪文で複雑な式を展開する事もできる。
ステータスはMGIに加え、INTよりもSPTのほうが重視される。これは何もない空間に式を構成、維持させるためには強い精神力が必要となるためである。
「紋章式」
スクロールや魔道書、魔方陣など、文字や文様を式とする魔法の総称。
無形式は対個人戦闘用の攻撃魔法や日常に使われる簡易魔法などに用いられるのに対し、紋章式はその規模にもよるが、無形式ではまだ展開できないレベルの魔法を用いる場合や、一人の意思力では展開不可能な巨大な式を展開する場合に用いられる。
紋章式の長所は物体に直接式を書きこむ事で魔法起動後も式が失われない、という点である。
スクロールや魔道書は紙や羊皮紙という性質上、魔法のフィードバックに耐えきれず繰り返しの使用には限度があるが、魔力の供給さえあれば紋章式は半永久的に式を展開しつづける事ができる。
もっとも、大魔法になればなるほど描かれる紋章は複雑かつ巨大なものになり、大魔法を個人で行使する事など不可能になってしまう。また地面などに描かれた紋章式であっても、使用のたびに大容量の魔力に耐えきれず細やかな回路の一部が破損する事が多く、使用には起動に必要な魔力量を供給できる魔法使いに魔方陣に破損を発見、修復する者が必要、かつ小型のものでない限り持ち運びが不可能などの制限があるので、紋章式の魔法が用いられる機会はほとんどない。
一般的に多く用いられる紋章式は、武器や杖などに掘り込んで能力を付加する事であろう。また、遺跡に描かれた古代の魔方陣には現代の魔法水準をはるかに超えたものも存在している。
「降霊式」
降霊式は他の二つとはその趣きをやや異にする。
魔法を使うものにとって重要な要素である個人の「属性」。それにより得られるボーナスやペナルティーは術者の魔力が式に適応しやすいか否かで生じるものである。
よって、人の体内には魔力の波長を変えるラインがある――それを利用するのが降霊式なのである。
無形式は周囲の空間、紋章式は物質表面に対して回路を構築するのに対し、降霊式は己の内部――肉体や脳内、もしくは魂――に式を展開する。
もっとも、降霊式はあまり一般的ではない。人間の内面に魔導式を描く事は外的手段では事実上不可能であり、高レベルの魔法使いが長年自分の肉体に魔力を通しつづけるか、生まれながらにしての才能か、そのどちらかでしか手に入れることは不可能だからである。
だが、呪文も魔方陣も必要としない魔法はまさに最速。威力こそ無形式や紋章式に遅れを取るものの、念じるだけで起動する魔法は神仙の域にあり、また降霊式を無形式・紋章式と組み合わせる事で威力を増幅させる事もできる。
降霊式を手に入れると言う事は魔法使いにとって自分の力を高めるのと同じに、実力を示す最高のステータスでもある。
戦闘魔法
ウォール(障壁):難易度D
魔力で防御用の壁を作る魔法。
基本の修得は難しくないものの、その硬度は術者の魔力や注がれる魔力量による。
また、さまざまな効果を付与した派生タイプの多い魔法でもある。
ターンアンデット(退魔):難易度D
聖なる光でゴースト系、ゾンビ系のモンスターにダメージを与える魔法。
肉体ではなく精神にダメージを与えるので実体を持たないモンスターなどにも有効。
主に神の祝福を受けた僧侶や神官が悪霊退治に用いる。
上位魔法はホーリーライト(聖なる光)
非戦闘魔法
サテライト(星の瞳):難易度B
自分の視覚だけを遠くへ飛ばす魔法。
視覚は自由に移動させる事が可能であり、距離による像の乱れもほとんど無い。またはるか上方から見下ろす、と言った通常ならば不可能な視点から広範囲を見る事もできる。
だが魔法の起動には高いMGI、INTが不可欠であり、起動式もホークアイとは比べ物にならないほど複雑である。また魔力制御と共に遠く離れた視覚から送られる大量の情報を受信、処理しなければならないが、その作業は脳に多大な負荷をかけるためSPTが低ければ一気に廃人になりかねない。
そのため、軍に正式に採用されている魔法でありながらも使用者は一部の高レベル魔法使いに限られ、脳内処理のサポートの為に魔方陣を併用、複数人で実行する起動方法が用いられる。
スカイアイ(空の目):難易度D
空気のレンズを作り、光の屈折を利用して離れた場所の風景を空間に映し出す、もしくは瞳に直接投影する魔法。
だが見れる距離は比較的短く、また遠くの場所ほど見える像は不鮮明になる。また天気の悪い日は使えない。
上位魔法はサテライト(星の瞳)。
ディスペル(解呪):難易度C
魔法で生み出された「効果」を無効にする魔法。
一口に効果と言っても該当する物は数多い。
対象者にマイナスステータスをつける「呪い」、防御力を高める「障壁」、世界に隔たりを作る「結界」、その他、細かなヴァリエーションを含めればそれこそ無限にあるといっても過言ではない。
それらの魔法効果を一種類の魔法だけで処理するのはどんな大魔術師でも不可能であり、通常は対象の式を把握分析した上で打ち消すような魔道式を構築するのが解呪と呼ばれる魔法である。
だがこのような解呪は神殿や魔法医の専門と言ってもいい。
冒険者など旅をするものが時間をかけて式を把握することなど出来る筈もなく、そのような彼らはただ一つの魔法を用いて解呪を行う。
要は力押し。自分の魔力を直接相手の魔法に干渉させ、打ち消すという単純な物である。
上位魔法はキャンセル(無効化)。
ログ(遠話):難易度E
離れた相手と自分を魔力で編んだ糸でつなぎ、意思だけで会話する魔法。
修得自体は簡単なのだが、拡散しやすい魔力の性質のために距離は5メートルが限度。
城や砦、神殿や各ギルドは増幅用の水晶などを用い、個人では到底無し得ない長距離の連絡手段を構築している。
ワープ(転送):難易度A
物質を現在位置とは離れた場所へ壁や障害などに一切影響することなく一瞬で移動させる魔法。
起動、制御、共に困難で魔力量も膨大。そのためかなり大きく精緻な魔方陣を必要とする高レベル魔法