第7話「近親相姦」その3


 う〜…やっぱりダメ。こんな事、誰に相談しろって言うのよ。ただでさえ女になるとエッチなトラブルに巻き 込まれやすいのに……こんなのをみんなに知られたら軽蔑されちゃうよぉ…… 「あ、たくやぁ。こんなところにいたのね。探したわよ」  ギクッ!…こ、この声は…明日香!? なんでどうして、こんなタイミングで現れるのよぉ!! 「ねぇ、よかったら一緒に帰らない? 実習が中止になったから買い物に行きたいの。それで付き合って欲しい んだけど――」 「ああああ明日香ぁ!? ―――ごめん、また今度にしてぇ!!」  それを皮きりに、あたしは今だけは顔を合わせたくない人たちと次々と出会う事になっちゃった…… 「相原くぅん、男に戻る薬のサンプルが出来たんだけど飲んでみてくれない? 少しでも反応が出るかどうかデ ータを取りたいんだけど」 「今日は忙しいんで明日いただきに行きます、麻美先輩ごめんなさい〜〜!!」 「そんなに慌ててどうしたんだ? どうだ、学食でよければおごってやる。悩み事があるなら相談に乗るぞ?」 「そんな、学食なんて誰かに聞かれるかわかんないのに……留美先生、今日はもう帰りますゥ!!」 「先輩、あの…猫……」 「ごめん、まだ綾乃ちゃんのルートはまだクリアしてないから!!」 「そ、そんなぁ……くすん」 「先輩、聞いてください。今日の発明は凄いんです! あの憎き佐藤麻美を私の足元にひれ伏せさせる大発明、 その名を――!」 「――――――(話も聞かずに全力ダッシュ)!」  はぁ…はぁ…はぁ……なんで、今日は…みんなあたしに話しかけてくるのよぉ……今は、今だけは、そっとし ておいて欲しいのに……  でもそんなこんなで余計な事を考える暇無く時間は夕方になったけど……どうしよう、家……帰っていい…と 言うより、帰って安全なのかなぁ……  今日一日父さんは会社を休んでたのよね……ビデオのデータは機械の操作に四苦八苦して消しておいたけど、 一日あったらあの父さんの事だ。きっと弘二とおんなじ様にものすごくイヤらしい道具とか準備して、てぐすね 引いてあたしの帰りを待ってるなんてことは………あああっ!? やめて父さん、あたしたちは本当に血のつな がった家族であたしは男、息子なのに〜〜!! ――え、母さんにも同じ事をぉ!? この人非人〜〜!!―― そうやってあたしは産まれたって…違う、そんな事……いやあぁぁぁ〜〜〜!!  ざわざわ…ざわざわ……  ――――あれ? どうしてあたしの周囲にこんなに人が……もしかして考えてた事が口に出ちゃってた?…… え〜ん、なんだか注目の視線が痛い〜〜! そこの人、「あんなに可愛いのに女装で親父に抱かれてる変態かよ っ!」って……うっ…変態……そうよね…世間様から見ればあたしは立派な変態……薬で女になった上に実の父 親に抱かれる変態…ふっ…ふふふふふ………これ以上道を踏み外すわけにはいかないわっ!  とりあえず逃げるように場所を移動して―――  ともかく、今日は家に帰れないわね。昨日の状態の父さんが待ち構えている場所に不用意に帰ろうものなら、 夏美義姉さんみたいにあたしの部屋へやってきて……だめ、そんな最悪の展開だけは避けなくっちゃ。明日には 父さんも会社にいくだろうからその時に一旦帰るとして―――今日の泊まる場所を考えないと。  えっと……誰か泊めてくれそうなのは……………し、しまった。今日はみんなのお誘いを全部断っちゃってる ……残ってるのは弘二ぐらい……父親に抱かれるか、弘二に一晩良い様にされるか……どっちもヤダッ! 最近 の弘二の様子を考えるとこれ幸いとあたしを妊娠させようとするに決まってるんだからっ!  だれか、他にあたしの知り合い、知り合い〜〜!! えっと、由美子の携帯の番号分からないかな? 分かる のは合コンのときに押しつけられた男の番号……男関係は全部パス、妊娠はイヤ! ああ、でもあたしって元々 男だから女の子に泊めてって言っても……こ、こうなったらとりあえず全部片っ端から電話をかけてやるゥ! 「もし、そこのお嬢さん。もしや相原様ではありませんか?」  あ…相原「様」ぁ!? あたしの事を様付けで呼ぶなんて一体誰……って、ああっ!? うそつき執事のお爺さ ん!?  そう、携帯の短縮ダイヤルをかけようとしていたあたしに声を掛けてきたのは、モデル代に目がくらんで参加 したコスプレ写真撮影会にてあたしをスカウトし、もう少しであたしをお屋敷のメイドとして拘束してしまおう としていた執事さんだった。  まぁ……どうやって数日で戻ってこれたかは色々とあったと言う事で置いておきまして…… 「いや、これは手厳しい。確かにあの時は条件をちゃんと説明しなかった私の落ち度でございますが、それも相 原様があまりに魅力的だったがため。どうしても当家のメイドとして働いていただきたかったのでございます。  それはそうと、何やらお困りのご様子。あの時の謝罪の意味も込めまして、お力になれることがありましたら なんでもお言いつけください。力の及ぶ範囲で手助けさせていただきますぞ」 「なんでも………じゃ、じゃあ、一晩、一晩でいいですからあたしをお屋敷に泊めてください!」 「当家にですか? それはやはり正式にメイドになる決心がついたと――」 「違います! あたしは今、と〜〜っても困ってて家に帰れないんです! 事情は…まぁ家庭内の事情ってこと で言えないんですけど……」 「ふむ……わかりました。相原様にはご迷惑をおかけした負い目もあります。そのように手配いたしましょう」 「あ、ありがとうございます♪」 「いえいえ、例には及びませんぞ。相原様…いやルーミットが戻ればお喜びになる方もいらっしゃいますからな」 「は、ははは……ルーミット…ですか」  その呼ばれ方に、ほんの数日だったけれどあまりに現実場慣れした館でのメイド生活を思い出してしまう。 「はい。それと衣服は当家の方で準備させますのでご安心ください。それと分かっておいでだとは思いますが― ―」  くっ……あそこにはもう二度と行きたくなかったけど背に腹は帰られない……今は父さんの手から離れる事が 大事なんだから…… 「その言い方でだいたい分かります。とりあえず……少しの間だけ、もう一度お世話になります」 「相原さん、お待ちしていました。遠いところへようこそ。さぁ、腰を掛けてください」 「いえ、このたびは私などをお招き頂き……」 「お気になさらないでください。相原さんには会社間の意見の取りまとめに色々と骨を負っていただきました。 その事であなたにはお礼と同時に個人的にお会いしたいとも思っていましたから。さて、まずは飲み物でもはこ ばせましょう。頼むよ」 「はい……では失礼いたします」  むぅ……まだ若いと言うのにメイドを雇うとは…しかも何人のメイドがこの屋敷に住んでいるのだ? ここに 来てから…10人……まさにメイド隊だ。大金持ちとはいるところにはいるものだな。  進められたソファーに腰掛けながら部屋を出るメイドを視線で追う。まだ昨日の事が忘れられないのか……同 じ年頃の女性にたくやの姿を重ねてしまう。 「ははは、やはりメイドは珍しいですか?」 「ええ、まぁ……私などとはまったく無縁のものですから」  目の前の男は私が勤める会社の大手取引先そのものだ。親や祖父から資産を受け継いだだけかと思っていれば 経営的手腕は確からしく、この屋敷にいながらにして天文学的な利益を生み出しているらしい。また人物を見る 目もあると言われ、有能な人物をヘッドハンティングして周囲を固め、事業の細かい部分は全て任せているとい う。  私が会社を休んだのを知って招待するとは……もしや、本当にスカウトか? 「――そういえば相原さんには娘さんがいらっしゃるのでしたね。どうです、よければ私の屋敷でメイドとして 働かせてみませんか?」 「さすが、私などの事をよく調べてありますね。ですが娘は近々結婚する事になっておりまして」 「それは夏美さんの事ですね。私が行っているのは次女の方…たくやさんの事です」  …………たくやだと? どうしてこの若造が私のたくやの事を知っているのだ。たくやが女になったのは最近 の事だと言うのに。――彼なら調べ上げるだろうな。だが分からないのは、どうしてたくやをメイドにしようと 考えているか、だ。  確かにたくやは亡き妻に似て美しい。だが本来は男だと言う事も分かっているはずなのだが………しかし、こ いつにたくやを奪われ、メイドとして…メイド………メイドとご主人様……な、なんなんだ、この不思議な昂ぶ りは…!! 「い、いやぁ……見ないで…ご主人様ぁ……」  たくや…お前の胸は本当に大きいな。この中には牛のようにミルクでも入っているのか? 「違う…いえ、違い…ます……ん…だめ…です……触らなっ……んっ…コリコリなんて……ゆ、許してください ……」  主人自ら調べてやっていると言うのにたくやは拒否すると言うのだな? 「も、申し訳ありません! ただあたしは……ご主人様のお手が汚れてしまうのではないかと……」  汚れたら……お前に舐めて綺麗にしてもらおうか、たくや。ほら、先ほどのトイレでお前が舐めたものだ。先 走りが溢れて汚れているぞ。 「父さ……いえ、ご主人様、このようなところでそんな……」  そのような事はどうでもいいんだ。お前はお前の仕事をしなさい、さぁ! 「は…はい……あむっ……んっ…ふほいひほい……んっ…ちゅる……じゅるる……すごい…さっきよりも大きく て……口の中がいっぱい……ご主人様…ご主人様のおチ○チン……」  たくや…いい子だ。丁寧に裏筋まで……うっ…今…ご褒美を上げよう。ちゃんと…残さず飲むんだぞ……うっ ! 「んっ、んっ、んっ……んんっ!? ……んっ……んくっ………はぁ……すごい…いっぱい……ご主人様の…父 さんの精液が……」  くっ……そんなにザーメンが美味しかったのかい? なんていやらしいメイドだ。男なら誰でも喜んでチ○ポ をしゃぶるのか。 「ち、違います。これは…ご主人様の命令だから……」  なら唇の端からこぼれた白い涎はなんだ。滴り落ちてメイド服が汚れてしまったじゃないか。 「あっ……」  ダメなメイドだ。これは…また一からお仕置きしてあげないといけないようだな。 「いや…許して…許してください、ご主人様……」  ダメだ。さぁ…私の前で下着を――  そうだ、イヤらしく腰をくねらせて、主人の視覚を楽しませるんだ。そうそう、そしてスカートを捲り上げて 自分の股間が触れられてもいないのに左右にパックリ割れて蜜を滴らせている事を…… 「相原さん、どうかしましたか。目が血走っていますよ」 「あっ、いえいえ、少し考え事を……」  いかん、招かれた先であのような淫らな妄想をするなど気が抜けている証拠だ。しかし…たくやにあのメイド 服は似合うだろうな。特に精液をぶちまければ、さぞや涙を流すたくやと服の茶色が欲望の白にまみれて映える だろう……だが、既にたくやへの欲望はもう収まっていたと思ったのだが……  ズボンの中では逞しいものが本来の姿を取り戻しており、興奮が脈動して溢れ出しそうなほどみなぎっている。 もしたくやが目の前にいたら……いや、ダメだ。あのような行為はあれで終わりにしなければ……  屋敷の主人の心配の声は耳に届いていない。ズボンなど破ってでもそそり立とうと暴れている股間を意思だけ で抑えつけるので精一杯だ。――だが、何故か扉をノックする軽やかな音だけは暑くなった脳に涼やかに響く。 「失礼します。お飲み物をお持ちしました………げっ、父さん!?」 「た、たくやじゃないか!?」 「お帰り、ルーミット。やはり君にはその服が似合っているよ」  聞き慣れた……いや、違う。昨日あれほど肉体を犯したたくやの声を脳が何度も再生していたが為に、その声 に反射的に振り向いてしまったのだ。  そこにはたくやがいた。しかも先ほどの妄想通り、そして館の主人の言葉通りよく似合っているメイド服を身 に纏ったたくやが、だ。  ああ、だめだ。たくやが…たくやがメイドだなんて、しかもメイドで、メイドさんだぞ、メイドさんのたくや が私の目の前に!! 「たくや、もう我慢できん!」  それは一瞬の早業だ。瞬きよりも短い時間でベルトとチャックをはずした私はズボンとパンツを脱ぐ動作とた くやに飛びかかる動作を同時に行い、猛る欲望のままにたくやへと襲いかかった!  ―――が、 「いやああああああっ、こっちこないでぇ!!」  バキッ!――ふっ、いい肘だ。知らぬ間にここまで成長していたんだな、我が娘よ……そんなところまで母さ んそっくりだ…ガクッ。  たくやがとっさにはなった右肘をこめかみに受けた私の意識はたった一撃で刈り取られる。  だが私とてたくやの父だ、ただでは死なん……気絶し様としているその最後の瞬間まで体を動かしつづけた私 は、上品な茶色をしたブラウスに包まれた胸元へと顔をうずめ、幸せな弾力に包まれたまま気を失った……


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